地下鉄・阪急天神橋筋六丁目駅で降り、天神橋筋商店街を北へ進むと、次の大通りが城北公園通りである。ここを右に曲がり東のほうへと歩くと右手に大きな建物が見えてくる。

8階建ての建物の1階にはパチンコ店と焼肉店が入り、その最上階になにわの湯は位置する。ちなみに3-7階はすべて駐車場である。エレベーターで8階まで上がると、入り口付近には理髪店や軽食コーナー。マッサージコーナーがなどスーパー銭湯に典型的な設備が配置されている。

浴室内に入ると、大浴槽のほかに檜風呂やマッサージ風呂・イベント風呂・水風呂などの設備が一通りそろい、そのほかにもサウナ・スチームサウナ、さらに女性側には塩サウナも設置されている。屋外へ出ると、岩風呂・壷湯・寝湯・腰掛け湯が備え付けられている。寝湯は頭のほうから常に温泉が流れており、身体を冷やさずに横になれるように工夫されている。
驚きなのは、イベント風呂・マッサージ風呂・水風呂を除いてはすべて温泉が使われているということである。ところがどれを見ても温泉としての浴感がない。というのも鉄とマンガンが除去されている上に、塩素消毒を施して循環しているからである。そのためかなり強い塩素臭が漂う。加水はされていないが、これでは温泉を使っている意味がない。いかにも温泉らしい泉質を嫌う人が多いためなのであろうか。設備自体はよく整っているのだが、あまりにももったいない。
このほかに源泉風呂が設置されているのだが、こちらは源泉が濾過・消毒・加水・過熱されずに浴槽へ注がれている。注ぎ口付近では細かい炭酸の泡がたち、非常に心地よい。色もほんのりと黄色がかっており、阪神間の温泉に共通の色合いである。ところが源泉風呂とうたわれているにもかかわらず、温度が35.3度の源泉を適温に上げるために加熱が行われており、これがちょっと熱過ぎるのである。入った当日も何人からちょっと熱過ぎるとの声も上がっていた。多量の炭酸を含む温泉も加熱すると炭酸分が揮発してしまう。そのため加熱したお湯が出てくるあたりでは全く炭酸ガスの発泡が感じられない。
本来かなりいい泉質であるにもかかわらず、運用の仕方のまずさのためにその温泉本来の評価をされていないのが残念でならない。神戸にある六甲道灘温泉・水道筋灘温泉・篠原温泉・朝日温泉などのように温度が低い源泉を加熱せずにそのまま注ぐ浴槽があればその泉質を十分味わえるのであろうが、残念ながら現状はそうなっていない。もっとも大阪は兵庫と比べて保健所などの規制が非常に厳しいらしいので、そのあたりの関係かもしれない。とにかく温泉の利用法を改善すればかなり期待できる泉質であることは間違いない。
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