阪急箕面線の終点・箕面駅から3分ほど歩くとスパーガーデンへと到着する。このまま奥へ行くといわずと知れた紅葉の名所であり、道の両側には名物である紅葉のてんぷらを売るお店が立ち並ぶ。
さて入り口へ到着と言ったが、ここからすぐに中へ入れるわけではない。建物はこのはるか上に位置しており、そこまではエレベーターで移動するのだが、なんとこのエレベーター、上りは有料であり、100円も取られる。館内で2500円以上使うと払い戻されるらしいのだが、なんとも納得がいかない。それならいっそのことその分値上げしたほうがはるかにすっきりする。ちなみにそのすぐ横にはケーブルカーの跡があり、かつてはこのケーブルカーでスパーガーデンまで移動していたのである。



なおいろいろと問題はあるものの、上へ上った後にそこから見る景色はすばらしい。

上に到着すると、そこには古色蒼然たる建物が見えてくる。未だに昭和の香りを感じることの出来る「懐かしい」建物である。

受付で料金を払い中へ入ると、典型的なかつてのヘルスセンター的な光景が広がる。ところどころに段差があり、注意を促す表示がいたるところに出ている。バリアフリーがどうした、といわんばかりの素敵な情景である。
地下1階に脱衣場があるのだが、高い入場料にもかかわらずタオルの貸し出しもない。おまけにロッカーまで1回50円も取る。かつての「有馬ヘルスセンター」も同じような状況であったが、「太閤の湯」に変わってからはさすがにそのようなことはなくなった。
浴室はさらにその下にあるのだが、かつては階段の下にあったという小さいラジウム泉の浴槽はなくなり、炭酸水素塩泉の大きな浴槽だけになっている。大浴槽は文字通りの「大浴槽」で、その一部が寝湯や打たせ湯になっており、浴槽の真ん中には橋までかかっている。やたらと規模だけは大きい。他にもサウナと水風呂もある。屋外には2005年に新設された露天風呂があるが、囲いが邪魔になって大阪平野を眺めながら入ることは出来ない。
洗い場には懐かしい石鹸はあるものの、シャンプーはない。うっかりそのことを知らずにはいると、一旦脱衣場まで戻ってロッカーを開らき、シャンプーを買ってからまたお金を払ってコインロッカーに鍵を掛け、再び浴室へと戻ることにもなりかねない。とても入場料には似合わない設備である。
泉質のほうはすばらしい。療養泉にも認可されているぐらいであり、入った後は肌がつるつるになる。問題は30年以上も前からほとんど変わりないその設備に尽きる。それさえ改善されれば交通の便が良いこともあり、それなりに客足も伸びることであろう。
他の館内設備もすごい。昔ながらのゲームコーナーに演劇などが行われるステージ、畳が広がる休憩所とかなりのブースが閉店している軽食コーナー。いまどきここまで「昭和」を感じさせてくれる設備も珍しい。同様の設備であった「有馬ヘルスセンター」が「太閤の湯」へと姿を変え、新しい客層をひきつけているのとは対照的である。とにかく建物全体にやる気が感じられない。果たして経営陣が改善に向けて思い腰を上げる日は来るのであろうか。
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多くの関西人にとっては懐かしい思い出の場所として記憶にとどめられているのでしょうね。