そうしているうちにホテルのスタッフがやってきて、「きょうはどうするつもりなのか」と尋ねられる。「乗り合いの車で離れるつもりだ」というと、「きょうはそんなものはない。あしたならある」と告げられる。やっぱり誰かに頼めばよかったと思いつつも、もう一泊することに決める。またホテルの前の椅子に寝転んで砂丘を眺めたり、砂丘の上まで一人で登ったりして過ごす。
以前チュニジアでサハラ砂漠に行ったときには日中は異常に暑く、夜間は寝袋の中に入っていないと耐えられないほど寒かったのだが、ここではそれほどでもない。これはこのあたりがそこまでは乾燥していないからであろう。それにしても本当に辺りには何もない。
この日の夕方は天候に恵まれ、日帰りでやってきたツアー客たちとともに砂丘へ登って夕日を眺める。日の入りの後にホテルへ向かうが、暗くなっていたため間違って隣のホテルへ行ってしまう。大慌てで砂漠を抜けて元のホテルへ戻る。この日はツアー客もなく、静かな食事となる。