今回は和歌山市にある「花山温泉」の御紹介。
JR和歌山駅から東へ2kmほど向かったところにこの温泉は位置する。JR和歌山駅東口から出る和歌山バスの紀伊風土記の丘行の90・94番もしくは信愛短期大学・岡崎行きの91・92番に乗り、秋月バス停にて下車。ほぼ1時間に2本の運行であるが、信愛短期大学・岡崎行きの91・92番は日・祝日には運休するため、1時間に1本の運行となるので注意が必要である。なお秋月からの最終バスは20時16分のJR和歌山駅東口経由・南海和歌山市駅行きである。運行時刻は変更されることもあるので、行かれる前には直接和歌山バスのほうへお問い合わせを。受付にもバスの時刻表は置いてある。またタクシーに乗ってもたいした料金にはならない。
和歌山駅から東に向かって進んできたバスは秋月交差点で右折して南へと進路を変えた後に秋月バス停に停車する。ここから交差点の東側にある細い道をさらに東へと向かうと次の信号の花山交差点で国道24号線と合流する。ここで国道の右手に花山温泉の大きな看板が見えるので、看板の案内にしたがって右折すると程なく左手に花山温泉が見えてくる。バス停から徒歩7-8分ほどである。
あるいはJR和歌山駅から出る和歌山電鐵に乗り、2つ目の日前宮駅で下車して北側へ出ると先述のバスが走る道にぶつかるので、ここで右に曲がって東へ歩くと先ほどの秋月交差点へたどり着く。
また健脚の向きには和歌山駅から歩くという方法もある。この場合は駅の東口を出て右に曲がり南へ向かうと大田交差点にたどり着く。ここで宮街道(国道24号線)と交差するので、ここで左折して東へ進むと先述の花山交差点にたどり着く。駅から花山温泉までは2kmほどであり、徒歩30分といったところである。
いずれも詳しくはこちらの地図を参考に。

正面から見た感じでは昔ながらの健康ランドといった風情である。2階に上がって券売機で入浴券を購入。その後受付で手渡して右手にある浴室へと向かう。ちなみに17時以降は割引料金になるのだが、実際には16時30分から券売機では割引入浴券の販売へと切り替えられる。
浴室へ向かう廊下の途中に飲泉場がある。そのまま飲むのではなく、活性水の中に2-3滴たらして飲むように書かれている。実際に源泉だけで飲むとわかるのだが、とても飲めたものではないのである。塩分だけではなく濃厚な鉄分やマグネシウム・カルシウムが混じって激しい苦味が感じられる。なお10リットル以内なら無料での持ち帰りも可能である。
その横には斜めにパイプが走っており、下から温泉が吹き上がってくるのを観察することができる。地下500mから炭酸ガスの圧力によって自噴しており、湧出量は毎分118リットルである。これを見ているだけでも以下にこの温泉がすごいのかが手に取るようにわかる。

脱衣場の入り口前と脱衣場内の2ヶ所に無料の貴重品ロッカーがあるので、ここに貴重品はすべて預けたほうが良い。脱衣場内にも普通のロッカーはあるが、こちらは有料であり、ほとんどの人はかごに入れて棚においているだけである。
浴室内にはサウナやジェット風呂・水風呂などもあるが、なんと言ってもすごいのは温泉浴槽。辺り一面に温泉からの析出物が付着し、まるで月のクレーターか何かのような様相を呈している。毎週木曜日の定休日には析出物の除去作業をされているにもかかわらず、これだけ付いてしまうのである。おそらく清掃を怠っていればすぐに浴槽は埋まってしまうことであろう。ちなみに浴槽の底にも大量の析出物が沈殿し、手ですくうことができる。白いタオルを使うとまっ茶色に染まってしまうので、御注意を。
温泉浴槽は合計で4つ。41.5℃に加温した大浴槽とその奥にある39℃の低温浴槽、さらにまったく加温していない26℃の源泉浴槽、そして40℃の露天風呂である。壁の表示によるとまず大浴槽に3分、再び源泉浴槽へ2分、その後に大浴槽へ3分、また源泉風呂へ2分、三度大浴槽へ3分、この入り方がお薦めだそうである。こういった入り方をすることによって交互に交感神経と副交感神経を刺激し、自律神経を整えることができるのである。また最初にサウナへ入っておくと毛穴が広がり温泉成分の吸収を促進するので、サウナの利用もお薦めである。
ちなみにここは日本でも有数の炭酸ガスの含有量を誇るのだが、源泉浴槽だと炭酸ガスが揮発しない状態で入ることができるので、非常にありがたい。なお二酸化炭素泉は血管を広げる作用があるため、高血圧に良いとされている。また保温効果も高いため、泉温が低くても湯上り後は意外と体がぽかぽかするのも特徴的である。またアトピーにも効くようで、療養に通っている方も多いようである。
源泉風呂でも飲泉ができるようになっている、だがしかし前にも書いたようにとても飲めた味ではない。常連の方の行動を観察していると、まず窓を開けておき、そのあとに源泉でうがいをして窓の外に吐き出すといったことをされている方が多い。ただ吐き出している先は庭なので、あまり衛生面では感心できないやり方ではある。
有馬温泉と同じく高張泉ではあるが、他の成分と比べてナトリウム分が少ないためか、それほど塩辛くは感じられない。またこれほど成分が濃いと湯あたりしそうなものであるが、泉温が低いため長湯することも可能である。ただし体調や体質によって違いがあるので、十分に御注意を。体の中に成分が浸透する力の強さは相当のものである。そのため、出た後にかなり疲労感を感じるお湯である。
それから上がる前には必ず白湯の浴槽に入ってから上がり湯を浴びたほうが良い。というのもあまりにも成分が濃いために単に上がり湯を浴びただけではその成分を完全に流し落とすことはできず、髪の毛や肌がべたついたりかさかさしたりすることもあるためである。
表示によると中性・高張性・低温泉の含二酸化炭素・鉄・カルシウム・マグネシウム・塩化物・炭酸水素塩泉で泉温は25℃、湧出量は先述のとおり自噴で毎分150リットル。加水・循環・消毒ともになし、また源泉浴槽のみ加温なしである。
食堂では丼ものなどが600円程度からで食べることができる。また16時までは大広間を休憩室として使うこともできるが、宿泊者が多い場合や団体による宴会がある場合には利用できないこともあり、さらに利用できる場合でもカラオケが使われている場合にはゆっくり休憩できないことも多いようなので、あまりあてにしないほうがいいようである。
率直に言って万人向けの設備ではない。泉質も好き嫌いの分かれそうなものであって、設備もかなり古ぼけており、料金もかなり高い。接客もあまりいいとは言えないうえに、客層は必ずしも良くはない。ただ本当の温泉好きの人たちにとってはこたえられない場所であろう。一度は行く価値のある場所である。
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