最終更新 2009年6月21日
●季節
ハイシーズンは11月から4月中頃のイースター(感謝祭)まで。その後は徐々に気温・湿度とも上昇を始め、7-8月にはピークに達する。GW頃は欧米人旅行者も減り、まだ暑くなる前のため、旅行するには最適の時期かと思われる。
●航空券
エアカナダ(AC)を利用するのが安くて便利。成田(NRT)からトロントまでの直行便もあるが、トロント市内へ入れるのは夕食時となる。バンクーバー(YVR)で一旦降機、その後夜行便でトロント(YYZ)へ向かえば宿泊費の高いトロントでの1泊を避けられるうえ、バンクーバーでの1日観光も可能になる。ただしトロントまでの飛行時間は4時間半のため、体力がない方は避けたほうが無難である。帰りはトロントで1泊が必要になる。また直行便利用ででトロントに1泊する場合は市内へ入れるのが夜になるため、市内観光は不可能である。なおいずれの場合も各都市での滞在は24時間以内のため、航空関係諸税は免税となる。
なおエアカナダは2008年冬スケジュールより関空から撤退した。
2006年のスケジュールによると、トロントからハバナ(HAV)までは11月から4月中頃のイースター(感謝祭)までは毎日、それ以降は火木金土日の週5便、9-10月は火木土日の週4便の就航となる。
トロント-ハバナ便のほかにも、モントリオール(YUL)-ホルギン(HOG)には日曜の週1便、トロント-バラデロ(VRA)には土曜の週1便、モントリオール-バラデロには日曜の週1便、トロント-カヨココ(CCC)には土曜の週1便、モントリオール-カヨココには土曜の週1便が就航しており、そのほかにも冬季にはカナダ側からはハリファックス(YHZ)・モンクトン(YQM)、キューバ側へはカヨラーゴ(CYO)へと就航しているようである。入国もしくは出国のどちらかにこれらの空港を使ってオープンジョーで発券すれば効率のよいルートを取ることも可能である。なお2006年4月現在、旅行代理店からいただいた運賃タリフにはハバナ以外のキューバの空港は記載されていないので、ハバナ行きと同じ料金でこれらの空港への航空券が発券できるかどうかは不明。
なおカナダからキューバまでの航空路に関しては在加キューバ観光局のサイトに詳しい情報があり、冬の間は上記の空港以外とのフライトもあるようである。
成田からはデルタ(DL)・コンチネンタル(CO)などの航空券もあるが、こちらはACよりも高くなる傾向にある。この2社の場合はメキシコのカンクンやメキシコシティーでメキシコ・キューバ系の会社へ乗り継ぐことになる。また、アメリカ経由の場合はカナダ経由の場合とは違い、乗り継ぎだけでも航空関係諸税が必要となるため、この点は留意が必要である。
●ビザ
多くの国籍の場合、観光目的でのキューバへの入国に際して、ビザは必要としない。それに代わってツーリストカードが必要となるが、ACの場合、トロントからの機内にて無料で配布される。カンクン・メキシコシティーから搭乗する場合には、それぞれの空港内にて購入することになる。
なお事前に日本にてツーリストカードを取得せずに搭乗する場合、日本で搭乗手続きをする際にクレジットカードかデビットカードの番号・現地で滞在するホテルの名前かカサの住所などをコンピューターへ入力するために尋ねられることもあるので、事前に準備をしておくこと。実際に現地への予約が入っているかどうかまでは確認されない。これはツーリストカードへの住所の記入内容に関しても同様である。未記入の場合には、入国手続き前にある旅行代理店にて宿泊の予約を入れさせられる場合がある。
また、ハバナの入国審査前にある旅行代理店のカウンターでビザの販売もしているようなので、最終的にはここでの購入も可能な様である。ただし機内でツーリストカードが入手できるエアカナダ以外の場合、事前にツーリストカードを入手していないとチェックインを拒否される可能性がある。したがっていずれの方法に関しても自己責任にて。なお詳細に関しては在日キューバ大使館のサイトを参照。
●通貨と両替
2006年4月の時点では1CUC=24MN(ペソ)である。CUCとMNの交換レートは時々見直されており、数年前よりもCUCは切り下げられている。MN立てのお店でCUCを直接使う場合には1CUC=23のレートで換算されるようなので、ぼられたと勘違いしないように。このあたりに関してはこちらのサイトが詳しい。なお最新の為替レートはキューバ中央銀行のサイトを参照。あるいはBanco Metropolitanoのサイトにも掲載されている。
両替しやすいのはアメリカドル・カナダドル・ユーロ・イギリスポンド・スイスフランの5通貨の「現金」で、メキシコペソがこれに続く。日本円も両替はできるが、できる場所が限られる。私が直接確認した中では国営両替所Cadecaの一部とBanco Internacional de Comercioだけである。このあたりに関してはこちらのサイトが詳しい。なおこのサイトではBanco Financiero Internationalが日本円を両替可能な銀行として紹介されている。またこちらのブログにはハバナ市内で日本円が両替できる主な場所が紹介されている。
いずれの通貨も売りと買いのスプレッドは約8%であり、直接両替できるのであれば両替手数料かを二重に支払う必要がないため、日本円を両替するのが最もレートがよい。なおアメリカドルだけは両替時に10%の手数料がかかるので、避けたほうがよい。
日本で現金を入手する場合にはユーロの流通量が多いため、売りと買いのスプレッドが小さく、一番レートが良い。カナダドルは売りと買いとのスプレッドが大きいため不利であるが、カナダを経由する際に乗り換え地で両替する際にはこの限りではない。
トラベラーズチェックは両替手数料がかかる上に両替も困難なため、万が一の場合の予備用以外としてはお薦めできない。なおアメリカ企業はキューバ企業との取引を禁止されているため、Citibankの発行するトラベラーズチェックは両替できない。またAMEXのトラベラーズチェックについては両替できたりできなかったりと状況が変わることもあるようなので、VISAかMasterCardを持っていくのが無難なようである。ただしキューバ国内においては盗難・紛失時の再発行を受けることは困難である。
現金の両替以上に便利なのがVisa・MasterCardによるキャッシングである。ここでもアメリカ系のAmex・Diners・Citibankは使用不可能である。日系のJCBも現地の銀行との契約がないため、使用不可能である。現金での両替レートが1CUC=129-131円の時点で、キャッシングしたときのレートが1CUC=127-131円であり、これに利息を加えてもほぼ同じか、あるいはキャッシングしたときのほうが割安になっている。ただし帰国してから切り上げ返済することが前提であり、引き落とし期日まで繰り上げ返済しない場合には必ずしもこの通りではない。
グレーゾーン金利解消の動きに伴い各クレジットカード会社が金利を18パーセント以下に引き下げたため、キャッシングのほうが利息を含めても両替レートの面で有利になりつつある。
多くの欧米からの旅行者もこの方法に頼っていることを考えると、日本円が両替できる場所を探すよりもはるかに便利である。窓口でキャッシングする際にはパスポートの現物(コピーは不可)・滞在先の住所などが必要となるので、あらかじめ用意を。なお、この国の通信事情の関係から、時々キャッシングができなくなることもあるようなので、ある程度は予備の現金を持つことも必要である。
ATMもあるが、故障やカードが飲み込まれてしまう可能性も考えられるので、できれば窓口でキャッシングするほうが望ましい。なおATMを利用する際にはパスポートなどは不要。またATMはPlusやCirrusには接続されていないので、JCB・国際キャッシュカードの使用は不可能である。
クレジットカードはあまり普及していない。高級ホテルやレストラン・スーパーに加え、航空会社ぐらいである。バスや鉄道も外国人は高額の支払いが必要となるが、すべて現金のみとなる。なおJCBは外国人専用病院のみ使用可能との情報もある。
なおインターネット上などでクレジットでの支払いには11%程度の手数料がかかるとの情報が出ていることがあるが、これは誤解に基づく情報である。誤解の経緯は次のような状況である。キューバの店頭ではCUCで値段が表示されているが、実際にはUS$にて請求がなされる。その際に店頭でUS$を換算してから請求されることになるが、1CUC=約1.11US$のため、1.11をかけてUS$にて請求される。これは単に為替レートを換算しているだけであって、手数料を加えているわけではない。
かつては1CUC=1US$だったため、そのまま通貨単位を取り替えて請求すればよかったのが、CUCの切り上げによってレートを換算する手間が生じ、それを店員側が手数料を加算していると錯覚したところから広がった誤解ではないかと思われる。ただし本当に手数料を加算する場所がないとも限らないので、念のために現地にて確認を。
追記
2008年1月よりハバナ・ホセマルティ空港にて日本円の両替が可能になった模様。詳しくはトラベルボデギータキューバ現地駐在員のブログにて。
●交通
国内の航空会社としてはCubana de AviacionやAerocaribbeanなどがある。
長距離バスは主に外国人観光客が利用するViazulと主にキューバ人が利用するAstroなどがある。Viazulの方が兌換ペソ払いのみで高い反面、車両の状態もよく時間が正確である。ただし一般のキューバ人がよく利用するのはAstroのほうであり、地元の人たちとのコミュニケーションを楽しみたいのであれば、Astroの方が良いと思われる。なおViazulは上記のサイトからオンライン予約もできるので、あらかじめ予約を入れておくと効率的に旅行することができる。
●ガイドブック
現時点では2009年6月に発売された旅行人160号特集キューバ・革命の島を徹底ガイド!
「地球の歩き方 カリブ海の島々
Lonely Planet
●必需品&あった方が良いもの
携帯ライト
計画停電があるので、必ず持ち歩くこと。街中でも道の整備されていないところは多い。
ラジオ
キューバのラジオは音楽が豊富なため、言葉がわからなくても十分に楽しむことが可能。ハバナなどでは外国人向けの英語放送もあり、イベント情報もあるとのことなので、情報収集のためにも持っていくことをお薦めする。
ただし周波数が9kHzステップ(周波数がすべて9の倍数になっている)となっている他の地域と違い、10kHzステップとなっているとため、デジタルチューナー内蔵のラジオの場合はあらかじめ取扱説明書にて周波数ステップの切り替え方法を調べておくこと。
Radio Tainoは観光客向けのラジオ局であり、スペイン語と英語で放送されている。ハバナでは830AMと93.3FMで聴くことができる。その他の地方都市に関してはこちらのページから。ここをクリックするとハバナからのストリーム放送を聴くことができる。
電卓
両替の際にごまかされる事例が多発している模様。必ず明細は受け取り、念のために自分でも計算をしておくように。
長袖のシャツなど
Viazulのバスなどは過剰に冷房されており、特に夜行などは長袖のシャツを着ずに乗ると熟睡できない可能性がある。また短パンのままで乗ると下半身が冷え切ってしまうので、その対策も忘れずに。車内に毛布などは用意されていない。
サングラス
沖縄・八重山と同程度の紫外線の強さのため、サングラスなしでは目をやられたり、あるいは体力を消耗する可能性が高いので、十分なUVカット効果のあるサングラスを用意しておくこと。
石鹸・シャンプー・歯磨きなど
キューバでも入手できるが、値段の割りに品質がよくない。持参したほうがよいものと思われる。