

旧駅舎は東京駅と同じ辰野金吾の設計であり、東京駅と瓜二つである。現在もその建物は保存され、その中には「ロッテマートソウル駅店」が入居して10時から24時まで営業し、大型スーパーのなかった旧ソウル市街地で多くの日本人観光客を引き付けている。
旧駅舎西側(通称・西部駅)の地下には銭湯があって、4時から20時まで営業し、夜行列車から降りたばかりの乗客たちが多く利用したものである。KTX開通までは多くの夜行列車が運行され、寝台車や食堂車が連結されていた列車も多かったのだが、今や見る影もない。
営業停止前の料金は3500ウォンだったのだが、一時期24時間営業していたときがあり、その際は20-5時までが5000ウォンとなり、実質的に4-5時の間が1500ウォン値上げとなっていた。それを知らずに4-5時の間に入ろうとした客が受付で大声を出しながら一悶着起こしていたのを思い出す。
中には唐辛子が詰まった袋入りのサウナや二段式の仮眠室もあり、15分毎に拍子木を鳴らしながら寝ている客たちに時間を告げに来ていたのが印象的であった。そのほかにもカプセルホテルが併設されていたが、私は利用することがなかった。ただ残念ながら夜行列車が減ったせいか、新駅舎内には銭湯は造られなかった。
ちなみにソウル駅の北西側に「シルロアムサウナ」と言う24時間営業の設備があり、こちらも旅行者などで賑わっている。詳しくは「韓国・ソウル駅前 シルロアムサウナ(チムジルバン)」を参照。
新駅舎内にはフードコートやレストラン・デハートもそろい、旅行者にとっては必要な設備が一通りそろっている。コンビニエンスストアーも数か所設けられ、ロッテマートと合わせて何でも買い揃えることができる。かつては一旦地上に出ないと乗り換えられなかった地下鉄にも、いまはエスカレーターで直結するようになって、利便性が増した。
3階のフードコートは7-22時の営業で、11のブースがそろっており、それぞれ数種類のメニューが用意されている。食券売り場で注文して支払いを済ませると各ブースに注文が伝えられ、食券の番号が電光表示板に表示されると受け取りにいくことになる。なお現金・カードともに支払うことができる。ソウル駅周辺は必ずしも飲食店が多く立ち並ぶ場所ではなく、メニューの豊富さもあって非常に便利な場所である。


ヘムル(海鮮)スンドゥプ(純豆腐)とカルビタン
なおKTXには食堂車の連結がなく、その他の長距離列車も軒並み食堂車が廃止された関係か、プラットホームではファミリーマートが営業しており、各種のお弁当を販売している。
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