食事を終えてしばらくしてから港へと向かう。この日の一便で島へ入る仲間を迎えに行くためである。港に着くと、昨日浜で見かけた「激写モデル」の女の子と再会。残念ながら一便で帰るらしい。ということは、昨年の「激写カメラマン」との再会は実現しないかもしれない。まことに残念。そうこうしているうちに船が入港。仲間が船から出てくるのと入れ替わりにその女性は船へと乗り込む。やはり「再会」は実現しない。仲間を迎えて宿へと戻る。かなり船は揺れたらしい。
宿では昨日からの祝いの準備が続いている。その祝いの「主役」たちは次の便で着くのだが、果たしてこの天候の中で無事船は出るのだろうか。
船の到着よりもちょっと早めに港へと向かう。港で食事をするためである。ここの港のターミナルには食事のできるスタンドがあり、八重山そばやカレーを食べることができるのだが、このそばが絶品なのである。一般的に八重山そばは薄味なのだが、ここのそばは味がしっかりしている。ご主人は以前名古屋で料理人をされていたと聞いている。味がいいだけではなくて量も多い。私ともう一人はうっかり大をたのんでしまったのだが、われわれのようなよく食べるものであっても、大は食べきるのが難しい。ちなみにここではあの幻といわれる泡盛をいつでも飲むことができる。
ふと港に目をやると、海は荒れ模様である。本当に船は来るのであろうか。走行しているうちに宿のご主人が車で迎えに来る。とりあえず船は離島桟橋を出たとのことである。しかし途中で引き返さないという保証はない。
予定よりかなり遅れて船が到着。「主役」の二人が中から出てくる。そしてもう一人同宿の女性も出てきたのだが、完全に揺れでやられてしまったようである。しばらく座り込んだままで動こうともしない。二人に聞くと、やはり船会社からは途中で引き返す可能性もあると言われて乗り込んだらしい。それほど海の荒れはひどかったようである。とりあえずその女性を車に乗せ、宿へと向かう。車の中でも完全に動かない状態である。
宿へと着いたが、彼女だけは宿帳も書かずに部屋で休む。とりあえず彼女は宿において浜へと向かう。前日とは打って変わって大荒れ模様である。私と対照的に今回の「主役」である男性は「雨男」なのである。最終便で来る予定のご夫婦の男性のほうもかつては「雨男」だったのだが、奥さんの晴れパワーに負けたのか、最近は「雨男」を返上しつつあるようである。それにしても海の荒れ方はひどい。とても長居できるような状態ではない。最終便の時間も近づいてきたので、港へと迎えに向かい、無事合流して宿へと戻る。先ほどの彼女も復活したようで、とりあえずご挨拶。
やがて夕食の時間となり、昨夜と同じような光景が繰り返される。テレビのニュースでは本土での雪化粧した景色が映し出されている。こちらも八重山とは思えないくらい気温が低い。そして天気予報は明日も悪天候だと告げている。やはり初日の出は拝めないのであろうか。
夕食が終わってしばらくすると、「髭の唄者」が三線片手にやってくる。昨年は三線の代わりに奥さんと子供さん連れでやってきてテレビでボブ・サップの試合を観戦。われわれには紅白を見るなとの命令が下ったため、一人でこっそり抜け出し別の宿へと遊びに行ったのだが、今年はちょっと様子が違う。ただしテレビには格闘技が映し出されていることは間違いない。相変わらず遊び唄からしっとりとした民謡までレパートリーが広い。
さて今夜は「主役」がいる。その主役の二人を祝うために「髭の唄者」はやってきたのである。いろいろと趣向を凝らした祝いが続き、みんなでカチャーシーを踊って大盛り上がり。二人にとって生涯忘れられない日になることであろう。
宴もたけなわになったところ、テレビの格闘技が終了。「髭の唄者」が楽しみにしていたボブ・サップの試合が放送されないままに番組が終了してしまった。よく調べてみると、もう一つの局でも別の格闘技を放送しており、そちらにボブ・サップは出ていたようである。悲しそうな目をする「髭の唄者」だが、こればかりは仕方がない。残りの時間は紅白と行く年来る年を見て新年を迎える。いよいよ2005年である。