「お風呂屋さん的京都案内」というサイトを運営されているウィルさんという方が約2年もの月日をかけて京都の全銭湯を入湯されてきたその結晶を一冊の本にまとめられたのが、上の写真にある「京都極楽銭湯案内
ウェブサイトのほうも見て楽しく、また使って便利ということを意識して製作されている趣味と実用性を兼ねたすばらしいものなのだが、こちらの本のほうもそのエッセンスをうまく凝縮してあって、実際に銭湯めぐりをする人にも、また目だけで銭湯めぐりを楽しむ人にとっても魅力のある一冊に仕上がっている。発売当初は京都や大阪の大手書店でも平積みにされており、また地元のラジオ局からは多数のスポットCMが流され、出版社が力を入れているのがひしひしと受け取れた。
内風呂の普及したいまでは銭湯へ行く習慣のない方も多数おられるだろうが、銭湯にはそこでしか味わえないよさがある。また地元の人たちにとって数少ないコミュニケーションの場所となって残されてもいるわけである。それが消滅してしまうということは、とりもなおさず地域コミュニティーの崩壊も意味する。それほどまでに銭湯というのは地域社会にとって重要なものなのである。その意味をみなさんにもよく考えていただきたい。
もしもう何年も銭湯に行かれたことがないようなら、ぜひ騙されたと思って一度近くの銭湯に足を運んでいただきたい。おそらくあなたがご存知の何十年も前の銭湯の姿の違いに驚かれるはずであり、あなたが風呂好きならもう一度足を運ぼうという気持ちにもなるはずである。サウナ・露天風呂・温泉、その充実振りにひきつけられることであろう。