韓国特有のサウナにチムジルバン(チムチルバン・チムヂルバン・チンジルバン)というものがある。チムジルバンには一般的にチムジルバンのほかに浴室や一般のサウナも併設されており、かなり規模が大きいところが多い。浴室やサウナへは全裸で入るのだが、チムジルバンへは館内着として貸し出されるTシャツや短パンをはいて男女共用の施設へ入ることになる。ここがサウナとの大きな違いである。

左から順にサウナ・チムジルバン・24時と書かれており、これらを目当てに24時間営業のサウナやチムジルバンを探すことができる。
一般的な利用方法は次のようになる。まず最初に受付で料金を払う。場所によっては退出時後払いの場所もある。ここで館内着を渡してくれる場合もあれば、中へ入ってから別に料金を払って受け取る場合もある。ここで入浴券を受け取ることも多い。また特に表示が出ていなくても入場料はクレジットカードで支払えるところが多い。また館内着を借りずにサウナと入浴だけしか利用できない代わりに安い入場料を設定しているところも多いので、はっきり「チムジル」と言っておいたほうが無難である。
また時間制限のないところ、入ってから24時間までの時間制限があるところ、12時間までのところなどがあるが、ソウル駅前のシルロアムサウナのように昼間料金で入った場合には24時まで、夜間料金で入った場合には11時までに退出しないと追加料金が加算されるようなところもある。
なおたいていの施設の場合、入った時間によって料金が決まり、たとえば昼間料金で入って夜間料金が適用される時間まで滞在した場合でも退出時に夜間料金との差額が請求されるようなところは少ないようである。
靴はまず靴入れに入れてからその鍵を入浴券といっしょに渡す場合もあれば、入浴券に書かれている番号のロッカーへ靴を入れてから受付へ渡す場合、あるいは受付でロッカーと靴箱に共通の鍵を受け取るなどいろいろな方法がある。
脱衣場のロッカーであるが、たいていの場合縦長でシャツやズボンなどが吊るせるようになっており、かなり大きめのかばん類も入るようになっている。おそらく航空機内に持ち込める大きさのソフトバッグであればたいていの場合大丈夫であろうが、ハードケースなどはまず無理である。その場合は受付に告げれば預かってくれるはずである。
ロッカーは電子ロックやその他の合鍵が作りにくいタイプになっている場合が多いが、別途貴重品保管庫が用意されている場合も多いので、現金やパスポートなどはそちらへ保管したほうがよいであろう。
さて服を脱いでまず浴室へと向かう。地元の人たちは前も隠さず堂々と歩いていく。浴室の入り口にはほとんどの場合タオルとアカスリ、歯磨き粉と塩が置いてあるので必要なものはここで取っていく。たいていの場合、石鹸は浴室に備え付けてあるのだが、シャンプーやリンスは置いていない場合も多いので、自分のものを持っていく必要がある。
浴室は日本のスーパー銭湯と同じ程度の設備である場合が多いが、韓国特有の浴槽もある。たとえば緑茶湯や黄土湯などはあまり日本では見かけないであろう。またたいていの場合かなり大きな水風呂が設けられているのだが、大の大人たちが他人の迷惑も考えずに泳いでいる。残念ながら韓国では他人への配慮ができない人たちが非常に目立つ。というよりも、韓国人に公衆道徳心を望むのは大きな間違いである。基本的に子供に対してまともな躾をしていない親が多い。
浴室には複数のサウナがある場合が多い。その中で特徴的なのは中に唐辛子の袋が吊るされたサウナであろう。入った途端に唐辛子の香りがむっとしてきて、人によっては耐えられない人もいるであろうと思われる。他にも高麗人参などが吊るされているサウナもある。
浴室から出るときには乾いたタオルを1枚持っていくのを忘れないように。チムジルバンで必要になるからである。たいていの場合、浴室以外にはタオルは置いてない。
脱衣場で館内着を身に着けてからチムジルバンへと向かう。たいていの場合、脱衣場よりも上の階にチムジルバンが設けられている場合が多い。チムジルバンへの入り口には「この先は男女共用部分のため、ガウンを着用のこと」などと韓国語で書かれている。外国人の利用が多い場合には日本語や英語でも表示されてはいるが、念のために地元の人たちの行動を観察して、それを真似しておくのが無難である。くれぐれも男女共用部分へ裸で入ってしまい、みんなを驚かせてしまうことの無きように。
そういえば大阪の新世界にある「スパワールド」には浴室部分と男女共用のプールがあるのだが、プールのほうへ全裸で行こうとする年配の男性がたまにいて、女性客たちの悲鳴が上がることもあるそうである。
またこれは好みにもよるが、靴下を履いたほうがよいかもしれない。というのも、チムジルバンの床がかなりの高温になっているため、人によってはその熱さに耐えられない場合もあるからである。地元の人たちの中にも靴下を履いている人は多い。
設備の規模にもよるが、複数のチムジルバンがもうけられている場合が多い。黄土チムジルバン・塩チムジルバン・宝石チムジルバン・小石チムジルバンなどその種類もさまざまであり、効能も違うらしい。そしてチムジルバンを全体を高温に熱し、そこから出てくる遠赤外線を浴びるのである。そのほかにも低温の酸素室や木炭室などもある。
なおチムジルバンにも汗蒸幕(ハンジュンマク)と称する設備があるが、日本のテレビや雑誌などで紹介されている汗蒸幕とは少々違うことが多い。日本のテレビなどではドーム型の部屋が松の木などを燃やして熱せられ、その中に麻袋をかぶって入る様子などが映し出されているが、チムジルバンにある汗蒸幕の場合は館内着を着て横になるものであり、チムジルバンと同じ設備と言っても差し支えないだろう。
またここからが大きな特徴の一つなのだが、原則としてチムジルバンの中では横になって過ごす。サウナの場合は原則座ったまま入るわけだが、チムジルバンにはあらかじめ木製の枕が用意されており、ゆっくりと寝ながら入ることができる。このため普通のサウナよりも長い時間を過ごすことができる。なお身体全体に遠赤外線を取り込むためには仰向けだけではなく、うつ伏せでも寝たほうがよいとのことである。
さらに冷凍サウナが設けられている場合も多い。一般的にチムジルバンでかいた汗は半日ぐらい流さないほうがいいらしい。そのほうが遠赤外線が体に定着するからだそうだが、そのため水風呂ではなく冷凍サウナが設けられているのである。一言で言えば巨大冷凍室のような設備であり、部屋の中には霜がついている。
そのほかにも、さまざまな薬草が吊るされて床がオンドルになっており、寝ているとじんわりと汗をかけるような部屋もある。こういったさまざまなチムジルバンに出たり入ったりして何時間も過ごすのが韓国的利用法である。
そのほかの設備としては食堂や映画室・ジム・PC室・喫茶室・睡眠室などがそろっており、一日過ごすことも可能である。先述のように半日は汗を流さないほうがよいとされているので、できれば昼間に来てそのまま汗を流して帰るよりも、夜に来てチムジルバンで汗をかいてからそのまま睡眠室で休み、翌朝汗を流して帰るのが理想的であろう。
ただここで注意が必要なのだが、睡眠室には男女別で2段ベッドなどが設置してあるところと、男女混用の大部屋だけで、床の上にごろ寝するしかないところがある。またベッドがあってもその数が少なく、あぶれた場合には床の上に寝るしかないようなところもあるので、宿代わりに使う場合には事前にそのあたりを調べておいたほうがよい。その点でお勧めできるのはソウル駅の北西側にある「シルロアムサウナ」である。ここには男女別の大睡眠室があり、まず寝る場所は確保できるであろう。ここについては別に詳しいレポートを用意してある。
なお韓国人全般に言えることだが、概して自分の欲求に正直に生きている人が多い。他人に水しぶきがかかることもお構いなしに水風呂で泳ぐ人、同じく他人に飛沫がかかることも考えずにシャワーを使う人、他人の邪魔になることも考えずに浴室や通路で寝転がる人、音が響いてやかましいことがわかっているにもかかわらず、チムジルバンの中で大声で話す人、チムジルバンに携帯電話を持ち込んで延々話し続ける人、様々な自分の欲求に正直に生きている人たちをチムジルバンでは見ることができる。
もちろん日本人にもそういった類の人たちと出会うこともあるが、明らかに絶対数が違っている。挙句の果てにはそういった習慣を韓国から持ち出してしまい、日本や他の国でも同じようにふるまっている人たちが多く見られる。その結果、そういった国々で韓国人があらゆる意味で注目の的になっていることも多い。他人の迷惑も全く考えずに自由に生きる人たち、われわれ日本人もその奔放さを見習いたいものである。他人の目を気にしながら迷惑を掛けないように生きると、われわれ日本人のように人間が小さくまとまってしまうようである。
ちなみに韓国では子供を叱り付けることはあまりない。なぜなら前述の理由があるからこそ、親はほとんど子供を叱ったり躾けたりしないらしい。だから他人の迷惑も考えずに暴れていたり、食堂のテーブルの上に座り込んでいたりする子供をよく見かける。子供には自由奔放に振舞わせるのが一番らしい。日本人のように子供を厳しく躾けるのは間違ったことなのであろう。彼らを見ているとつくづくそう思う。
韓国の新聞報道より
このような報道も出ているため、施設を選ぶ場合には十分に御注意を。残念ながら一般的に日本と比べると、飲食店なども含め衛生管理が雑なのが現実である。
中央日報日本語版 チムチルバンの貸与服は細菌だらけ
ソウル市内のチムチルバン(サウナの一種)10カ所のうち8カ所の貸与服が一般細菌だらけであることが明らかになった。
韓国消費者保護院はソウル市内のチムチルバン20カ所で貸与される服の衛生状態を試験し、洗たく・保管など衛生管理実態を点検した結果、17カ所の貸与服から一般細菌が100平方センチメートル当たり1400cfu−1100万cfuが検出されたと21日、明らかにした。
一方、残りのチムチルバン3カ所の貸与服からは一般細菌が全く検出されなかった。 調査対象のチムチルバンでは一日平均50人−1000人の利用者に服を貸していた。
cfu(colony forming unit)は細菌を数える単位で、cfu/平方センチメートルは1平方センチメートル当たりどれだけの細胞または菌株があるかを表す。
消費者保護院側は「不特定多数の人が共同で利用するチムチルバンの貸与服は汗と湿気で一般の服に比べて細菌が繁殖する可能性が高く、下着を着ないで使用することが多いため、細菌がある場合、皮膚病に感染するおそれがある」と警告した。
2006.07.21 18:41:23
参考リンク
チムジルバン・ドットコム(韓国語)
チムジルバン情報(韓国語)
関連記事
韓国・ソウル駅前 シルロアムサウナ(チムジルバン・韓国式岩盤浴)
韓国・ソウル市東大門区・スパレックス SPAREX(チムジルバン)
韓国・釜山市 東莱温泉 虚心庁(チムジルバン)
韓国・釜山市 海雲台(海雲臺)温泉 ベスタ(VESTA)(サウナ・チムジルバン)
韓国・ソウル 梨泰院ランド(チムジルバン・韓国式岩盤浴)






http://yuntaku.yugafu.org/pages/user/search/?keyword=%8A%BE%8F%F6%96%8B
を見させて頂きました。
今回、釜山へ旅行に行きます。
汗蒸幕や足ツボやマッサージと、楽しみにしてます。
HPに乗っているお店のHPを見て、心配になった為書き込みさせて頂きました。
全て韓国語で書かれている為、PCの翻訳機能を利用して読み取りました。
ただ、現地で、言葉は通じるのでしょうか?
英語、又は日本語のカタコトでも分かるスタッフさんなどはおられるのでしょうか?
もし、言葉が通じない場合、受付などでは、どのように入浴や支払いを伝えれば宜し
いですか?
お忙しいとは思いますが、お返事頂ければ嬉しいです。
お問い合わせありがとうございます。
お尋ねの件ですが、日本人が多数利用しているような場所を除けば原則として韓国語のみの対応になります。こちらのブログで取り上げた釜山の場所の中では、東莱温泉の虚心庁(ホシムチョン)ぐらいではないでしょうか。とはいっても片言程度の可能性が高いです。
海雲台温泉のベスタはいくつかの日本のガイドブックにも取り上げられており、日本語のパンフレットも製作されていますが、私が実際に行った感じでは外国語での会話はあまり期待できそうにありません。
ただこの2ヶ所とも外国人の利用は比較的多いところではあり、外国人への対応には慣れているようです。
館内でどのようなサービスを受けられるお積もりかにもよりますが、あらかじめこの記事をよく読んでおいて、入り方だけでも知っておかれれば言葉の心配は必要ないかと思います。
私はいつもチムジルバンだけの利用のため、受付で「チムジル」と一言言ってクレジットカードか現金を差し出して終わりです。チムジルバンを利用されず、サウナと入浴だけなら「沐浴(モギョク)」と言えば大丈夫です。
また私自身は利用したことありませんが、マッサージなどを受けるおつもりなら、中へ入ってからその場所へ行って、「マッサージ」「テミリ(垢すりの意)」と言えばわかってくれるでしょう。
私自身も韓国語ができるわけではありませんが(ただし文字の読み方だけはわかります)、それでも何とか入浴できておりますので、それほど心配されることはないかと思います。
それから虚心庁とベスタは7月に行ってきたばかりですので、もっと具体的にお知りになりたいことがあればお知らせください。記憶している範囲内でできるだけお返事させていただきたいと思います。
別内容で質問です。
チムチルバンの貸与服は細菌だらけという韓国の新聞報道を読みました。
記事を読んで、少々不安になってしまったのですが、自分で室内着を持っていき、それを着用することは可能ですか?
上の記事にも書いてありますとおり、たいていのところはサウナや入浴だけの料金と、チムジルバンも利用する料金の2本立てになっており、チムジルバンの料金を払った場合のみ、館内着を手渡されるようになっています。
という訳で、ひょっとすると館内着そのものがチムジルバンの料金を払ったという印になっている可能性もあります。その場合は自前の室内着を持っていって着用した場合にはチムジルバンの料金を払っていないと見られてしまうのかもしれませんね。
ちなみに私自身は自前の室内着を着用して入っている地元の人たちを見かけたことはありません。
ただ1つだけ言っておきたいこととしては、韓国というのは表面的には日本と同じ先進国のように見えても、内実はそれには程遠い面があります。
たとえば飲食店などでの衛生管理などはとても日本のそれには及ばないひどいところが多いです。実際に私も目の前で店員が前の客の食べ残しの付け合せ(パンチャン)を使いまわしているのを見たことがあります。
そういった国ですから、そのようなことは仕方のないことだとあきらめた上で利用するしかないのではないでしょうか。
私はまだ韓国でチムジルバンにいったことがなく、次回はトライしたいと思っているのですがどうしても気になるところがあります。
女性の方たちは館内着の中に下着は着用しているのでしょうか?(男女共用部分)
日本にある女性用韓国系チムジルバンでは下着を着用している人はいないので…とても気になっています。
こればかりは正直言ってよくわかりません。
下着を着用しても特に問題はないはずですので、御自分の判断で着用するかどうかお決めになられればよいかと思いますよ。