ホテルでナイロビ行きのバスについてたずねてみたものの、さっぱり乗り場やら乗車券の買い方について何も知らないようである。仕方なしに朝食をとりに出かける。
既に7時半になっているとはいえ、ほとんど開いているお店を見かけない。なんとかまだ掃除中のお店に無理を言って入れてもらい、朝食をとる。揚げパンのようなマンダジ2つとポット一杯のミルクティーで2000シリング(約130円)。ちなみにここウガンダでもインド同様に紅茶はチャイと呼ばれている。
とりあえずバス乗り場へ行ってもナイロビ行きのバスは見当たらず、タクシーパークあたりでも見つからない。近くの人たちに聞いてみても誰も知らないようである。ようやく1人の人が場所を知っているとのことで、ボダボダ(バイクタクシー)の運転手に地元の言葉で行き先を告げてくれ、1000シリングで交渉成立。とは言っても距離がわからないので交渉の余地はなかったのだが。
連れて行かれたのは街の外れを走る幹線道路のロータリーの横で、何もない場所。どこで切符を買えばいいのかもわからない。ボダボダの運転手は地元の言葉しかできないようで、さっぱり言葉が通じない。ようやくその場に居合わせた人に話を聞くと、カンパラからナイロビへ行くバスがここを通るからここで待っていればいいとのこと。いや、そうではなく前売りの切符を買いたいのだ、どこで買えばいいのだと伝えると、ようやくこちらの真意を理解してくれ、運転手に行き先を告げてくれる。
結局やってきたのは街の中心にある旅行代理店。運転手はもう1000シリング払えと要求してくるが、本来なら片道500シリングで十分な距離。それで十分なはずだと言って断る。運転手も苦笑いしながら引き下がる。
16時にカンパラからナイロビへ行くAkamba Busが先ほどのロータリーを通過するとのことで、さっそく空席を確認してもらったところ、今日の便にはあと1席だけ空きがあるとのこと。早速発券をお願いする。33000シリング(約2200円)。
早速ホテルへ戻ってチェックアウト。荷物を預けてブジャガリ滝へと向かう。ホテルで聞いたところではボダボダは2000シリング(約130円)、Lonely Planetの情報では3000シリング、というわけで何とか2000シリングで行こうと何台も交渉するが、全員3000シリングから下げようとしない。仕方なく3000シリングで滝へと向かう。
約30分足らずでブジャガリ滝に到着。入域料がウガンダ人・ウガンダ以外の東アフリカ共同体国民(ケニア・タンザニア人)・外国人に分けられ、外国人は3000シリング(約200円)。ところが5000シリングを出したところ、お釣りがないからとりあえず1000シリング払ってくれ、残りは後でいいからと告げられる。

川まで降りていくと客引きされたため、乗り込むことにする。滝とは言っても那智のような大きい落差のある滝ではなく、いかだで下れる程度の滝なのだが、幅は非常に広く流れも早くて迫力がある。時々観光客の団体がラフティングで川を下っていくのとすれ違う。残念なことに近々ダムが建設される予定だそうで、この光景が見られるのはあとほんの少しだとのこと。
再びボダボダに乗りジンジャへと向かう。今度はいきなり2000シリングを提示され、交渉することもなくバイクにまたがる。
前回も書いたとおりジンジャにはインド系の住民も多く、その関係でインド料理店も数軒ある。早速そのうちの1つに入り、スペシャルターリーを注文。5000シリング(約3450円)ほどで食べきれないくらいの量が次から次へと出される。食事の後はホテルへ戻って出発の時間まで一休み。
バス出発予定30分前の15時半を目途に乗り場へと向かう。ボダボダ(バイクタクシー)の提示した金額はホテルで聞いていたとおりの500シリング(約35円)。そのまま交渉をすることもなくバイクに乗る。
着いたのは朝来たのと同じ場所。ウガンダとケニアを結ぶ大動脈とはいえ、単に土を踏み固めただけの道に過ぎず、特に舗装されているわけではない。だから車が通るごとに土埃がたつ。ロータリーのあたりにはガソリンスタンド以外に何も建物は見当たらない。そんな道端にはバスや乗り合いタクシーを待つ人たちがたくさんいる。
5-6人の女の子たちのグループがいたので話を聞いてみると、彼女たちもナイロビへ向かうとのこと。いまいち言葉が通じない男が近寄ってきた際に「彼はあなたの荷物を取ろうととしているようだ」と追い払ってくれる。
ところが予定の16時をまわってもバスはいっこうに来ない。30分たってもまだ来ないので彼女らがカンパラにあるバス会社に電話したところ、カンパラ市内の渋滞に巻き込まれているとのことで、まだまだ時間がかかりそうな様子。そのうち彼女らの中の1人を残して通りがかった乗用車に乗り込んで行ってしまう。予約せずにバスへ乗るつもりだったのだろうが、こんな長距離路線に予約もなしに乗ろうとする感覚はいまいち理解ができない。
16時50分頃になりようやくナイロビ行きのバスが到着。1人残った彼女と一緒に乗り込もうとしたものの、「君のバスはこれではない」と乗車を断られてしまう。仕方なく気長にバスを待つことにする。色々なタクシーやバスが通るたびに先ほどの言葉通じない男がいちいち寄ってきてごちゃごちゃ言ってくるのだが、それがよけいにこちらの不安を駆り立てる。どうやらこのタクシーに乗れ、あのバスに乗れと言っているらしいが、その真意はわからない。
ようやく17時になって1時間遅れでバスが到着。他にナイロビへ行くといっていた男性数名も乗り込もうとしたのだが、予約を持っていなかったらしく、乗車を断られている。
指定された座席は一番後ろの5人座りの席の真ん中で、急ブレーキでも踏まれようものなら放り出されてしまいそうな感覚の場所。予約する時にここしか空いていないがいいかと念を押されていたため、仕方がない。エアコンなどという気が利いたものは付いておらず、開け放たれた窓からはほこりが容赦なく入ってくる。
日も暮れてからバスが止まり、全員降りるようにとの指示が出される。どうやら検問らしい。男女別に並ばされ、1人ずつ身分証明書の提示を求められる。特に問題もなく再びバスは走り出す。
結局検問の際に一度止まっただけで、国境まで一度の休憩もない。結局国境に着いたのは21時近く。途中で食事休憩でもあるだろうと思って一食分だけのウガンダシリングが残してあったのだが、結局役に立たずじまい。
タンザニア側の国境には闇両替商が立ち並んでおり、ジンジャの銀行よりもレートがよいくらい。とりあえず残りのウガンダシリングをケニアシリングへと両替する。タンザニア側には特に店らしきものも見当たらない。
バスはこの場に停まったままだが、どうも同じバスの乗客たちはケニア側へ歩いているような気もする。とりあえず同じ方向へと向かったものの、よくわからない。再びバスへと戻って乗り込む。
やがてバスが動き出す。かなり空席も目立つ。ケニア側の出入国事務所へ向かい、ビザを申請して入国手続きを済ませる。料金はUS$50。写真は不要。この先にバス会社の事務所があるらしく、その近くで待つようにと告げられる。こちら側にはたくさんの食堂などが立ち並ぶが、出発時刻もよくわからないため食事をしていいものかどうかもわからない。
やがて先ほどタンザニア側からケニア側へとバスに乗らずに歩いてきたらしい乗客たちが次々と戻ってくる。どうやら事情をよく知っている乗客たちは先に歩いてこちらへ移動し、バスが出発するまでに食事を済ませたようである。20分ほどしてバスは出発する。