再び目が覚めた6時過ぎにはすでにナイロビの市街地。ターミナルへ到着する前に市内のある場所に到着。例のヨーロッパ人カップルがあわてて下車する。ちょうどタクシーが停まっていたので、治安の悪いダウンタウンにあるバスターミナルへ着く前にここからタクシーに乗ろうということだろう。
ターミナルへ近づくとともに、手持ち無沙汰にうろうろとしている人の姿が増え、外の雰囲気がだんだんと悪くなっていくのが手に取るようにわかる。7時ごろにターミナルへ到着。ウガンダのジンジャを出て約14時間が経過。バスが何台も道沿いに停まっており、普通の乗客が多いからかここだけはあまり危険な雰囲気がない。でも道路の反対側はすでに雰囲気が違っている。
ちょうど今夜はモンバサ行きの夜行列車が出る日のため、駅まで行って予約をとろうかとも思ったのだが、わざわざタクシーで乗り付けてすでに予約が一杯だった場合には再びここまでタクシーで戻ってくるのもばかばかしく、またこちらのバスがすでに満席になっていて乗れない恐れもあったため、そのまま9時のバスへ乗り継ぐことにする。750ケニアシリング(約1300円)。偶然昨夜ジンジャのバス乗り場で一緒だった再会。彼女もこのまま乗り継いでどこかへ向かうらしい。
バスターミナルの2階には24時間営業の食堂があり、こちらで朝食をとる。また1階には待合室とシャワー完備のトイレまであるのだが、残念ながら清掃中で使えない。お湯が使えるのかどうかまでは不明。ここナイロビも標高1700mの土地とあってかなり肌寒く、水だけのシャワーではかなり厳しい。
9時にバスが出発。こちらは道路が整備されているためか、はたまた運転手が安全運転しているためか、昨夜ほどは揺れない。車窓から見える風景はかなり単調で、特に見るべきものもない。斜め前に座ったのは3歳ぐらいの女の子で、褐色の肌に髪の毛を三つ編みにしてもらっており、大きなくりっとした眼と合わせてまるでお人形さんのような雰囲気。
12時半頃になってようやく初めての休憩となる。他の人が頼んでいる牛肉の煮込みのようなものを注文。付け合せは御飯・焼いたバナナ・ウガリの中から選べるのだが、ここで初めてウガリを注文。ウガリ http://tetsu74.hp.infoseek.co.jp/kenya/food.html はとうもろこしやキャッサバの粉をこねて作ったもので、それ自体には味がない。煮込みの汁をかけて食べてみたものの、やはり美味しくない。
そうこうしているうちに運転手から「君を待ってるんだ」とせかされて、バスに乗り込む。時間にしてたった15分ほどの休憩。海岸沿いのモンバサへ近づくに連れ、徐々に気温が上がっていく。どうやら間もなくモンバサの街かと思ったあたりで道路が工事をしており、横の集落の中を走る旧道らしきところへ迂回させられたのだが、ここがかなりの悪路。なかなかバスは進まない。ここだけで1時間以上が経過。
4時ごろになってようやくモンバサ市街地の北側にある下町へと到着。早速タクシーの運転手が近寄ってきたが、頑として料金を300シリング(540円)より下げようとしない。交渉しても埒が明かないので、向かいの市内方面行き車線へ移動。近くのお店で中心街のMoi Ave.行きのマタトゥ(乗り合いタクシー)の乗り場を聞く。手を上げればどこでも停まってくれるとのことなので、早速乗車。15分ほどで10シリング(約20円)。
ウガンダのジンジャから23時間近くもかけて移動したため、さすがに疲労がたまり、今夜だけはちょっといいホテルに泊まろうかなどという「不埒な考え」が頭をよぎる。目指したのはRoyal Castle Hotel。Lonely Planetの情報だと2300シリング、地球の歩き方によると3000シリング。いずれにしても5000円を超えることだけは間違いない。
早速値段を尋ねたところ、なんと朝食込みで3500シリング(6300円)。パンフレットにもそう記されているので、ふっかけられているわけではない。カード払いもできるとはいうものの、少々予算オーバーぎみ。とりあえず部屋を見せていただくと、エアコン・テレビ・浴槽つきのバスルーム・冷蔵庫が完備。朝食がとれる表のレストランもなかなか雰囲気がよく、早速レセプションで値段交渉を開始。残念ながら担当の女性は全く交渉に応じてくれる気配もなし。
ところがそれを見ていた男性スタッフが話しかけてきたため、「あの部屋は非常に気に入ったのだか、少々こちらの予算は超えている。ちょっと負けていただけませんか。」とお願いしたところ、こちらの予算を聞いてくれたうえ、3200シリングまでなら下げれる、一度マネージャーに聞いてくれるとのこと。しかし残念ながらマネージャは不在ということで、値下げはできないということに。
近くのHotel Sai Roseというホテルを薦められたため、そちらへと移動する。ところがこちらで提示された金額も3500シリング。とりあえずここへきた事情を説明した上で3000シリング(5400円)にしてもらう。従業員の雰囲気も悪くない。
夕食の場所を探したものの、ホテルのまわりにはこれといった場所がない。とりあえず少々高級そうな中華料理店へ。ところがイスラム色が濃い土地柄らしく、中華料理だというにもかかわらず、豚肉を使った料理がない。先客がたのんだ料理が出てきたのだが、かなり胡椒や唐辛子がきいている料理らしく、それが鉄板の上でよく熱せられたまま出てくるので、刺激のある煙がもうもうと立ち上り、店内の全員が咳き込み始める。
ホテルのあたりは夜には人通りが少なくなることもあり、いざという時には短距離であってもマタトゥへ飛び乗ることも頭に入れた上で早足でホテルへと戻る。