*以下の記事は2005年9月現在のものです。2006年3月の再訪記(神戸市北区・有馬温泉 太閤の湯・再訪)も合わせでご覧ください。
今回は有馬温泉・太閤の湯のご紹介。
関西人にはなじみの深い「有馬ヘルスセンター」が2005年4月11日に「有馬温泉・太閤の湯」へとリニューアル。今回「有馬温泉 太閤の湯クーポン」という一日乗車券と入館券がいっしょになったクーポンが期間限定で発売されたのをきっかけに初入浴。これは有馬ヘルスセンター時代から期間を限定して発売されていた「有馬ゆけむりクーポン」に代わるものであるが、ゆけむりクーポンの場合は往復の乗車券では途中下車が不可能だったのだが、新しいクーポンは1日乗車券になっており、以前より使いやすくなっている。例年だと9月頃から11月頃までと1月頃から3月頃まで発売されている。ただし日曜と祝日は入館できないので、御注意を。
同様のクーポンは阪急バスからも発売されている。こちらのほうは発売期間が長いうえ、曜日による利用日の制約もない。出発地は梅田・宝塚・芦屋の3ヵ所がある。なお両方とも子供用はない。
なお鉄道の場合は三宮から地下鉄・北神急行経由か神戸高速新開地駅経由、またはJR福知山線三田駅から神戸電鉄で来ることになる。
神戸電鉄有馬温泉駅前から出ている無料送迎バスに乗り、「有馬温泉 太閤の湯」へ到着。もっとも歩いてもそれほどの距離ではない。

一応かつてのヘルスセンター時代と比べてそれなりに名前とふさわしい外観に整備はされているようである。
中に入り、靴をロッカーへ預けて受付へと向かう。かつては靴箱も有料だったのだが、これは無料へと変更されている。さすがに有料のままでは印象が悪かったのであろう。。靴箱の鍵を受付で渡し、代わりに更衣室ロッカーの鍵を受け取る。これにはバーコードが付いており、これで食事から自動販売機、ゲーム機まですべて清算できるのである。そして退館時に入館料も含めて清算することになる。そのため、財布などは受付横の貴重品保管箱に預けたままにしても全く支障はない。なお受付ではロッカーの鍵とあわせて、館内着・タオル・バスタオルをバッグに入れて貸し出してくれる。
まず受付横の更衣室に向かい、館内着へと着替える。そして先ほどのバッグにタオルを入れて下の階へと向かう。館内の構造自体はヘルスセンター時代のままであるが、外からの日光ができるだけ入らないようにして照明を落としてあり、またBGMもジャズやボサノバなどが小さく流れるなど落ち着いた雰囲気を演出してある。
下の階へ降りて浴室へと向かうと、正面には蒸し風呂への入り口、右側には浴室への入り口、左側では蒸し風呂内で使う着衣を無料で貸し出している。まずここで蒸し風呂用の着衣を借り、浴室へと向かう。蒸し風呂へ入る前に身体を洗って一通りの温泉につかっておいたほうがよいであろう。理由は後ほど述べる。
脱衣室と同じ2階の浴槽は以前とほとんど違いがない。金泉と銀泉の混合された浴槽が1つ、銀泉の浴槽が高温と低温の2つある。サウナは黄土サウナに変わり、銀泉を高温に熱した岩にかけることによって出てくるローリュを楽しめるようになっている。また以前は水風呂がなく、サウナから出た後の火照った身体を冷やすことができずに困ったものなのだが<、新しく銀泉を冷却した水風呂が作られている。
3階の露天風呂へは2階の浴室内から階段を通って上るのだが、この入り口がちょっと見つけにくい。また階段や通路の非常に狭いので、注意が必要である。
3階の露天風呂には金泉の源泉をそのまま使った太閤の岩風呂、銀泉を使った浴槽、金泉足湯、腰掛銀泉足湯、寝転んだまま入ることのできる寝転び足湯などがそろっている。
なお館内の表示によると、足湯などの一部を除けば加水はなし、消毒剤の投入もなしで、泉質の面では問題ないであろう。
さてこのあと脱衣場で蒸し風呂用の着衣を着けてから蒸し風呂へと向かう。かつては脱衣場のロッカーも有料だったのだが、いまはもちろん無料である。今回の設備更新により、浴室よりもこの蒸し風呂のほうが売り物となっているようである。なお蒸し風呂は男女共用となっている。
蒸し風呂の入り口を開けて中に入ると、まず金泉足湯と横たわると身体が下から熱せられて発汗作用が促される麦飯岩盤床、そしてその奥には金泉を使った太閤の蒸し風呂、銀泉を使ったねねの蒸し風呂、さらにその奥には金泉蒸し風呂岩盤浴ゾーンと銀泉蒸し風呂岩盤浴ゾーンがある。
まず太閤の蒸し風呂とねねの蒸し風呂なのだが、両方とも一見倉庫か何かと間違いそうなつくりでちょっと入りにくい。しかし遠慮せずに入っていただきたい。それぞれ金泉と銀泉が蒸気化されて出てくるので、深い呼吸をしてその成分を肺の奥深くまで吸い込んだほうがその効果が期待できるであろう。浴室内に流れるアナウンスによると、7分が適当な入浴時間とのことである。
さてここからがこのコーナーの最大の目玉である。まず金泉蒸し風呂岩盤浴ゾーンは12-3人ほどが横たわって入るようになっている。普通のサウナと比べると温度が低いのだが、バスタオルを下に敷いて横たわっていると驚くほどの汗が出てくる。下に敷かれた麦飯石・芦野石岩盤から放出される遠赤外線によって中から身体が熱せられ、その結果として発汗作用が促されるらしい。おそらく普通のサウナの熱気が苦手な人でもこれなら大丈夫であろう。
銀泉蒸し風呂岩盤浴ゾーンは一回り小さいのだが、こちらは5-6人が横たわることができ、さらに5-6人が椅子に腰掛けて入ることができるようになっている。金泉よりも温度が低く、より長時間入ることができるであろう。一定の間隔で上から蒸気化された銀泉が噴霧されてくる。こちらも時間と共に大量の汗が出てくる。
蒸し風呂岩盤浴ゾーンは、浴室内に流れる案内によると10分が適当な入浴時間とのことであるが、一般的な入浴法としてはうつ伏せで5分、仰向けで10分、そして5分の休憩を挟んでまた入るといったことを3回繰り返すのが適当とされている。なお金泉・銀泉とも中には時計などがないので、必要な方は自分で持ち込まれたほうがよい。この辺の設備も改良の必要があるであろう。
またこれは特筆すべきことなのだろうが、他のところでは岩盤浴の入浴回数はたいてい一回、もしくは施設側が決めた回数しか入ることができないのが一般的なのだが、ここでは回数に制限はない。自分の好きなだけ入ることができる。そのため時間帯によっては空きがなく、入るまで待たなければならないこともあるようである。一般的には午前中や夜が空いているようである。くれぐれも入りすぎて、疲れが出ないようにしていただきたい。
一般的に金泉は温度も高く濃度も濃い高温高張泉のため、長湯していると湯あたりしてしまうのだが、岩盤浴の場合はかなり長く入っていることができる。温泉の成分を身体に取り込みながら遠赤外線も取り込むことができるここの岩盤浴は非常に魅力的である。
さて、蒸し風呂に入ったあとは身体を洗わずにそのまま休んだほうがよい。というのも、そうすることによってより身体に遠赤外線を定着させることができるからである。また岩盤浴によって出てくる汗はふだん出てくる汗とは違い、非常にさらっとしておりにおいもなく、またそれ自身に肌を潤す成分があるようである。先ほど身体を洗ってから蒸し風呂に入ったほうがよいと書いたが、それはこういった理由からである。汗はタオルでふき取るぐらいにしておくか、せいぜい浴槽につかるだけで身体は洗わないほうがよいようである。そして館内着をつけてから3階にある休憩室あたりで仮眠を取るのがよいであろう。
さて2階にはレストランやフードコートがあり、食事を取ることができる。若干街中よりは高いが、許容範囲ではあろう。うどんやラーメン類が500-800円程度、カツ丼が750円、カレーライスが600円などとなっている。3階にはリクライニングシート・座敷などがあり、ここで仮眠を取ることができる。リクライニングシートには女性専用のコーナーも設けられている。これなら女性も安心して寝ることができるはずである。
退館時には更衣室で服に着替えた上で受付へ行き、ここで清算して出ることになる。なお各種のクレジットカードやPiTaPaでの支払いも可能である。
なおここを訪れてから2-3日は身体全体が入浴した直後のような温かさに包まれ、浴槽につからずシャワーだけで十分なほどであった。おそらく岩盤浴によって取り込まれた遠赤外線のおかげなのであろう。
温泉以上に岩盤浴を目的として行くのがお薦めのところである。
2006年9月20日追記
岩盤浴の混雑緩和のため、予約による30分入れ替え制になった模様。混雑時には4時間待ちなどというひどい状況になっているようであり、そういった事情を踏まえた上でおでかけを。以下は最近の太閤の湯岩盤浴に関する記事。
芯からホッコリ 3連休でしたね。。
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15年前の秋と昨年の11月。
昨年訪れたときは改装前で、これでよく今まで持ち堪えたなという感アリ。
レジャー施設も一部閉鎖され、浴室には人はそこそこいましたが・・・タダ券でなかったら後悔したかもしれません。
その後ニュースで社運を賭けて改装とかやってたので、気にはなっていたのです。
大衆演劇などが演じられていたステージはボックスの座敷席に変わってフードコートの食事用の席と静かなBGMが流されています。
とりあえずは正解なのではないでしょうか。